まだ山小屋を利用したことがない人向けに「山小屋とはなんぞや?」ということをまとめてみました。
山小屋は決してハードルが高いものではないですし、何か不安なことがあれば山小屋に事前に問い合わせれば快く教えてくれますよ♫
目次
山小屋はこんなところ!メリットたくさん!
山小屋は、登山者が寝泊まりするために設けられた施設です。
施設により差はありますが、基本的な山小屋の設備としては決して豪華なものではありません。旅館などをイメージしていると実際の山小屋とのギャップに驚かされることだと思います!
ですが、まれに過酷な状況に身を置くことになる可能性がある登山では、山小屋の存在はオアシスそのものです!
※一般的な山小屋の設備は次の通りです。
- 受付・売店
山小屋に入るときは、登山靴をはじめ、ウェアの汚れを落とします。玄関を入ると受付がすぐにあります。宿泊は原則予約が必要です。売店だけの利用もできます。 - 食堂
朝食、夕食を提供しています(山小屋によって違いあり)。山小屋によっては旬の食材や地元の食材を使った料理を出してくれるところもあり、登山の一つの楽しみです! - 客室(寝室)
個室、大部屋など広さはさまざまです。ベッドがある山小屋もあります。翌日の登山に合わせて就寝時間が早いので注意しましょう。 - トイレ・乾燥室
トイレはティッシュを分別しているところもあります。特徴的なのは多くの山小屋に乾燥室があること。雨の日は混雑します。中にはお風呂のある山小屋もあります。
山小屋を利用する際は、予約が必要か確認しましょう。
予約を入れるときには、山の様子や登山道など、最新の情報を聞くといいです。ただし、山小屋の就寝時間は早いので、電話は21時以降は避けるようにしましょう。
一般的な山小屋は、客室(寝室)が上下に別れた「かいこ棚」に布団が敷かれ、宿泊者が雑魚寝をするようになっています。大部屋が苦手な人は追加料金を払えば、個室を使える山小屋もあります。
山小屋によって、トイレの使い方やお風呂の有無、食事内容、ゴミの持ち帰りなどのルールが違うため、事前に調べるか予約の際に聞いておくと安心です♫
観光気分も味わえる山小屋のサービス
設備は簡易的で豪華さはありませんが、観光気分もしっかり味わうことができます。
食事が充実
山小屋では休憩、食事、睡眠(宿泊)といった基本的なサービスを受けられます。
基本的に近くに水場がなく、お風呂に入れないところが多いですが、中には温泉のある山小屋もあります。食事内容も山小屋によって違います。メニューにこだわっていたり、翌日のためにお弁当を作ってくれる山小屋もあります。
売店ではビールやお土産もある
ビール(350㎖缶)500円、ペットボトルの水(500㎖)300円など価格は高めです。これは山の上までの運送費が含まれるため高めになっています。ほかにスナック類が売られています。
お土産としては手ぬぐいやピンバッジ、絵ハガキ、Tシャツなどが売られています。
山小屋と避難小屋の違い
営業山小屋はスタッフがいて、有料で食事や寝具の提供があります。それに対して避難小屋は天候悪化や体調不良などのアクシデントがあったとき、一時的に避難することを念頭に作られたもの。ほとんどが無人ですし、寝具がないことも。
避難小屋の中には非常時以外は宿泊禁止のところもあります。
山小屋での過ごし方
山小屋のチェックインは15時までを目安にすればちょうどいいです。
夕方以降は暗くて、山歩きが危なくなり、夏は夕立に遭う恐れがあります。山小屋でやっておくことも意外とあるので、なるべく早い時間に到着するのがベターです。
部屋に案内されたら荷物を置き、ウェアや登山口のメンテナンス、翌日の準備、お風呂のないところでは汗拭きシートなどで体をふいておきます。夕食後はホッとひと息タイムです。娯楽室でおしゃべりしたり、星空を見たり、お土産を買ったりもできます。
ほとんどの山小屋は20~21時に消灯します。夜中にトイレに行きたくなった場合に備え、ヘッドランプを置いておきましょう。
山小屋でのスケジュール
宿泊する山小屋によって多少の違いはありますが、だいたいのタイムスケジュールをまとめてみましたので参考にしてください♫
- 15:00
山小屋到着(受付)
山小屋到着の目安は15時。着いたら、受付で料金を払います。 - 17:30~18:30
夕食
食堂へや早めに行くのがベター。混雑時は交代制になることもあります。 - 21:00
就寝
枕元にヘッドランプを置いて寝ると安心です。 - 5:00~6:30
起床・朝食
朝食の30分前には起きて、身支度を整えてから食堂へ行きましょう。 - 7:00
出発
荷物の確認をすませたら出発です。くれぐれも忘れ物のないように!
山小屋でのマナー
せっかく山小屋を利用するのだから、気持ちよく過ごしたいですよね。
「これだけは」という3つのポイントに絞ってご紹介します。
ですが、山小屋の設備によってもマナーは変わってくるので、分からないことは遠慮なく聞き臨機応変に対応するようにしましょう!
ウェアの汚れを落とす
まず、山小屋に入る前にアウターや登山靴の汚れを落とします。途中、雨に遭った場合、濡れたアウターなどは部屋に持ち込まず、乾燥室にかけておくように。部屋では、ゆるめのウェアなどラフな服装に着替えて過ごすのもいいです。
荷物を減らしたい人は、翌日着る服で寝てもOKです!
節電・節水を心がける
多くの山小屋では水や電気は貴重です。
スマホの電池が切れたからといって、勝手に充電するのはやめましょう。もちろん、ドライヤーも使えません。水の出しっぱなしはNGです!ハミガキや洗顔のために使用でいる水はありますが、飲み水に向いていないこともあります。また、環境に配慮し、石鹸やハミガキ粉の使用は控えましょう。
まわりの人に配慮する
基本的に相部屋ですので、人に迷惑になるような大声を出さないよう配慮しましょう。
気を付けたいのが、着替えなどをスーパーのレジ袋に入れて持ってくること。あのシャカシャカ音は意外と耳障りです。山登りの最中、クマよけのベルをザックに付けていたときは、部屋では必ず外しましょう。
山小屋の魅力とは
山小屋と聞くと、トイレやお風呂などの水問題、質素な食事、大部屋で雑魚寝・・・といったことを思い浮かべるのではないでしょうか?
たしかにそういうところもありますが、多くの山小屋はさまざまな面が改善され、快適に過ごせるようになってきています。山小屋はそれぞれ雰囲気が違います。たとえば、北アルプスにはスイスアルプスの山小屋のようなおしゃれなところがあったり、八ヶ岳には昔ながらのランプを使った雰囲気のよい山小屋があります。
山小屋に泊まると、朝夕の自然の劇的な変化を体感できたりもします。日帰り登山では見られない山の表情を楽しみましょう♫
非日常的な山小屋の魅力をチェック!
山小屋には、私たちの日常では味わえない魅力があります。登山者の中には、山小屋を選んで登る山を決める人もいたりするほどです。
山小屋の雰囲気を楽しむ
大きく様変わりしたとはいえ、やはり山小屋での生活は普段と違うものになります。多少、不便さを感じても、夜、満天の星空を眺めながらお酒を飲んだり、日の出前に起きて、朝日を浴びながらコーヒーを飲んだり・・・と豊かな自然の中で過ごす贅沢な時間は、何も代え難いものになるはずです。
ほかの登山者との交流
多くの人が利用する山小屋では、人との出会いもあります。
食堂や談話室などで会った人に思い切って声をかけてみましょう。同じ山に登っている者同士、会話も弾むはずです。相手が山登りの先輩だったら、ほかの山のことも聞いてみましょう。山小屋での出会いが一期一会になるかは、あなたしだいです!
イベントに参加する
山小屋では、季節ごとにイベントを企画しているところがあります。たとえば、北アルプスにある山小屋「燕山荘(えんざんそう)」では、夏にクラシックコンサートが行われたり、秋には打ちたてのそばが楽しめる「新そば祭り」や「秋の紅葉とケーキフェア」が開催されています。
私の山小屋で過ごす時のオススメは、満天の星空を眺めることです!
「空から星が落ちてくる」という表現にピッタリの壮大な星空は、普段の生活圏では考えられない世界です!インスタ映え間違いなし!
まとめ
まだ山小屋を利用したことがない人は、ぜひ一度山小屋で宿泊してみてはいかがでしょう。
天候によっては過酷な環境に身をおくこともあり、そんな環境下での山小屋は唯一無二の存在ですし、もしかするとあなたの人生観や死生観をガラリと変えてくれる経験となり得るかもしれませんよ!